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時々書きます。百合が好き。

『世界終末百合アンソロジー』と『神絵師JKとOL腐女子』レビュー

初めて読んだ時の感想って大事ですよね。

※注意事項!

・完全に一個人の感想、評価であること

・筆者は作品に対して常に敬意を表していること

・評価は10点満点で評価すること

以上をご理解の上見て頂けると幸いです。

 

今回レビューする作品はコレ!!

『世界終末百合アンソロジー

カバー: こるせ 先生

作: 岡ぱや 先生、tsuke 先生、くわばらたもつ 先生、吐兎モロノブ 先生、しろし 先生、結川カズノ 先生、田口囁一 先生

『神絵師JKとOL腐女子』1、2巻

作:さと 先生

の2作品となっています!

 

まずは『世界終末百合アンソロジー』から!

〜あらすじ〜

荒廃した世界で生きる「彼女」たち、その繋がりを描いた7つの物語を収録。

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毎月新しい百合アンソロジーを提供頂き、寿命が伸び過ぎてもう死なないんじゃないかな?なんて思い始めている今日この頃です。はい、今回のこの世界終末百合アンソロジー。荒廃した世界での人と人との関係性や生活をたっぷり見させて頂きました。

1つめ、しろし先生の『introduction』。1発目ではありますが個人的に1番この話が好きでした!これを読み終えて思ったのが、あぁそうだよ、百合ってこういうことですよ。って再認識させられましたね。世界が荒廃していても自分の中での世界はあなたが居てこそだ、と。作中でも相手の考えている事がわかったり、一緒にいようとして、相手を想う気持ちがよく伝わってきました。この2人ならどこまでも行けそうだなと心から安堵するようなほっこりするお話でした。見てて幸せってこういう事。

2つめ、結川カズノ先生の『海は何色』。世界が荒廃した後だと海にさえ憧れを抱くものなんですね。それこそ、アンドロイドでさえ。海のように輝く瞳の女の子を見たらそれはもう惹かれてしまいますよね。こんな世界でも生まれてきた意味を見つけることが出来た彼女たちには是非幸せになってもらいたいものです…!!

3つめ、吐兎モロノブ先生の『S P U T N I K 』。この作中で好きなシーンがありまして、それが文明が崩壊する前の写真のデータを見ているところなんですよ。その時の一瞬を形にすれば、それは永遠になる。この言葉が大好きですね。例えそれが後に残らない物になってしまっても、なかったことにしたくないと思えるその一瞬はきっと意味のあるものですよね。この世にきっとやって無駄なことはないんじゃないかな。なんて、考えさせられ綺麗な作品でした。

4つめ、田口囁一先生の『Touch me if you can』。できれば触って、という意味をもつこの言葉。まさにこの作品にぴったりだと思いました。管理AIにだって相手に触れたいとか一緒に居たいって気持ちがあって、お互いを想い合う姿に頬が緩んじゃいましたね。AIだって大切な人とえっちくらいしたいですよね。うん。

5つめ、岡ぱや先生の『卵の殻を破らねば』。ちょっとホラー要素が強い一面のある作品でしたね。都市という名の殻のなかで真実を知り、独りで耐えていた彼女を見て一緒に出ようと引っ張ってくれる存在。殻を破って出た外の世界の心地よさは彼女がいるからだろう。ほんとてぇてぇものを見せつけてくれますよ……ありがとうございます。

6つめ、くわばらたもつ先生の『チュウ虎シャングリラ』。これもめっちゃ好き…!世界が荒廃しているわけですからそりゃ娯楽も少ないですよね!縄張り争いという名の退屈しのぎにこんな趣向のじゃれあいがあったとは…最後の「存分に励め!」でガッツポーズです。

7つめ、tsuke先生の『トワイライトにおやすみ』。命の在り方について考えさせられる話でした。もし私がなんでも願いを叶えられるとしても永遠の命は望まないですね。永遠のなかでどれ程の数の大切な人を失うところを見ることになるのか、それを考えるととても永遠を望もうとは思えませんね。しかし、だからこそ作中の永遠の命を持つソフィアにとってヴェロニカの幸せを願い続けるという言葉は救いであり、とても嬉しい尊い言葉だった事だと思います。亡くなってもその思い出が無くなる訳ではありませんしね。

 

7作品、内容もそれぞれでたっぷり楽しめましたね…!もしも今の私たちが生きている世界がこの様に荒廃してしまったらどうなるんでしょうねー…なんとなく、自ら命を投げ出す人が多くなりそうな気がしますね。インターネットがなくなる、食事も十分に出来ない、まともな生活が出来ず、水も貴重でお風呂も自由に入れない。きっと耐えられないでしょうね。今どれだけ幸せかがわかっちゃいますね。世界終末百合アンソロジーの名に恥じない作品ばかりでとても満足です…!毎度思うんですけど、こういうアンソロジーに沢山参加されてる方って凄いですよねー、よくそんなにポンポン新しい物語が考えつくものです。その想像力が私も欲しい…!小説とか書こうと思ってもきっと小論文みたいになっちゃいそうです。

『世界終末百合アンソロジー』評価!

今回は……10点満点中、6.5点!!

アンソロジーは自分の好きなお話を一冊の中から探し出せるというのが強みでいいですね!しかし、やはり世界終末ということで、ややが暗い話が多いかなぁなんて思いましたね。私自身あまったるくて糖尿病になりそうなイチャイチャ百合が大好物なので、総合的にもっとイチャイチャ欲しい…!と思いました。また8月にも何かアンソロジーが発売されるのでしょうか…?楽しみでございます(*´꒳`*)

 

 

続いて『神絵師JKとOL腐女子』1、2巻

〜あらすじ〜

美人だが恋人ナシ。残念すぎる腐女子OLの相沢。ある日、彼女が”神〟と崇める絵師・ミスミが同人誌イベントに出ることを知り、会場へと向かう。しかし、お目当てブースにいたのはなんとも可愛らしい女子高生だった––––––!?女子高生とアラサー社会人の年の差ガールズラブストーリー

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実は去年の百合展へ行った際に小さな宣伝ポスターだけ貰って認知はしていたのですが、腐女子という文字に多少なりとも抵抗があり手を取っていませんでした。しかし、2巻が発売されTwitterなどでの皆様の面白い!という声を聞き、買ってみようと思い立ちました。結果から言っちゃえばめちゃめちゃ楽しんで読めました…!!過去の私よ…もっとはやく手に取るべきでしたよ……。

好きな絵師さんの絵が投稿されたら秒速でいいね&リツイートしちゃう気持ちもわかりみだし、リプ送りたい気持ちもほんとわかる…!(そんな度胸ないけど) このOLの相沢さんを見てるとオタクって好きなもが違っても本質的に同じような生き物なんだなぁって思いましたね。神絵師の気持ちまでは流石にわからない私ですが、絵を描いて周りからの反応や評価を貰えると本当に嬉しい事なんだろうと見てて思いました。同人誌イベントとか行ってみたいです…コミケとかも行ったことないので。

それはそれとして、本編でそんなオタク全開の相沢さんと神絵師の住田さん、同人誌イベントで会う前からお互いに気になっていて初顔合わせでテンパるのは無理もない…!好きです!って語彙力皆無だけれど真っ直ぐなその気持ちを伝えられて良き…!会うのが2度目で神から告白されるなんて…なんてうらやまけしからん…!はいって答えて、答えた側も答えられた側も悩んでる姿が本当に面白い!「神との恋愛関係とか成立すると思う…?」とかからの同僚との相談してるとこなんて笑いっぱなしでしたし、DMでコラボカフェデートのお誘いが来た時の住田さんと同級生との会話もめっちゃ好き!「萌えるな今の台詞いつか受けに言わせよう」「いやヘタレ攻めに言わせるのも可」「えっちょっと待って私なんて言ってた?私も使うわ」とかオタク同士の会話が面白すぎて終始笑ってました。コラボカフェデートなんて2人の息が合いように尊い極めてきてましたしね、百合作品としての質を見せつけられた気分ですよ…!!

住田さんのアニメが始まる木曜日になると精神統一して右手様を休ませる奇行を見せたり、情緒の振れ幅が凄い相沢さんとか、好きなアニメのために仕事を全力で終わらせにかかる姿は本当に作品に対しての愛を感じますよね。私自身も安達としまむらアニメが始まったら、放送される日はもうずっと変な情緒になりそうです。ネットでの会話が主な2人だからこその今何してるんだろうと思ったり、心配しあったりという描写が新鮮で楽しめましたね。

サークルのお手伝いで一緒に売り子して、焼き肉食べて、お泊まり!夜は買った本を2人で楽しんで、住田さんの描いたものを神の目の前で読めて、読んでくれて、お互いにほんとうに有意義で大切な時間だったことでしょう…!朝チュンで事案の勘違いとか!ここでしっかり付き合い始める事に!!やった!通話も出来るようになって、元気なかったりするのかとか絵でわかっちゃったり、どれだけ好きなんだ!ってな話ですよ!語彙力ないけど、いやないからこその「大好きですっ!」って言葉が心に響くのですよね…!!

そんなラブラブカポォな2人の間に別の神絵師まどろみさんが登場するわけですよ。クソキモ長文をめちゃめちゃ指摘してくるのもミスミさんの絵が好きだから故の行動。釣り合うのは自分だ!って言われた相沢さん、納得しちゃうのがほんと笑っちゃいます!新刊の感想で「尊い…」としか出てこないのも最高。ずっと笑いっぱなしで飽きがないですよね。

文化祭での話とかもう最高で、愛をしっかり伝えてキスされちゃったり、もうほんとヤバいんですよ……ここはもう是非読んでない人は読んでみて。本当に良いから……。

そして2巻のラストである2人の好きな作品が最終話を迎えるお話。好きな作品が最後を迎える時の感情、ほんとわかるんですよ…例えばやが君とか最終巻読んだ時どうでした?私なんて号泣し続けて気づけば1時間以上経ってましたからね(これガチ)。内容良すぎて笑顔になるんですけど、涙が溢れ出て止まらなくなって思考停止しちゃうんですよこれ。もう顔なんてぐちゃぐちゃでどんな表情なのか全くわからないようになりますから。そんな気持ちを知ってるからこそ、最終話が始まるまでの2人の行動がまた面白すぎる!特に住田さん!卓球の授業を「いきますよォォォオラアアン!」って凄い勢いでやってるのに、好きな作品の名前の前半部分を聞くだけで「えっ…今…なんかアグ…とか聞こえたけど一体…」って言って頭の上にクエスチョンマーク出てるのほんと好き。他にもキャラクターの名前とか聞くたびに絶叫して保健室行きですからね、情緒不安定にも程がありますよ!笑   私のクラスにも安達さんって人居るから気をつけよう。うん。

最後の最後、最終話を見終えた2人が「アグオカ(2人の好きな作品名)に出会えてよかった」「あなたに出会えてよかった」とツイートしちゃってるのなんて、はぁー尊い。しかも2人の好きな作品が最終話を迎えたからといって、この『神絵師JKとOL腐女子』が終わるわけではなく、まだ続いていくという救いがある。最後のページのTo be cotinued…の文字が燦然と輝いて見えました…!!(ここまでずっと早口)

 

はい、ぶわぁって書き綴っちゃいましたが、言えるのは一つ。好き!!(語彙力)

さっそく評価しちゃいましょう。

今回の点数は……9点!! 

いやぁ、ほんと楽しんで見れました。私にも腐っているお友達が2人程いるので多少話を聞かされることがあって、そういうBL方面の話が混ざってきたらどうしようと一抹の不安がありましたが、蓋を開ければなんて面白い作品だったことか。あくまでも相沢さんと住田さんの2人の物語で、腐という部分は共通の趣味で繋がっていくという事であってよかったです。でも百合が好き同士の2人だった場合とかも見てみたい気がしましたね…!その方がもっと共感出来た気がするので…!別の作品ではありますが作者であるさと先生が描く『フラグタイム』も大好きです!映画もう何度か見に行きたいくらいです…!自宅と映画館じゃやっぱり雰囲気というか何か違うよね。兎にも角にもこの『神絵師JKとOL腐女子』もの凄く面白かったです!読んだ事がない方は是非この機会にお手に取ってみて下さい!

 

気づけば5000文字超えてました。はい、如何でしたでしょうか。この作品のどこどこも面白かった!や、良かった!って思うシーンがありましたら是非声をかけてくださいね!また、オススメの百合作品などがありましたら教えて下さい!これ書いてる私は自他共に認めるチョロい奴なのでオススメされたらすぐ買うと思いますので、よろしくお願いします!!

以上!ここまで読んで頂きありがとうございました!!また何か新しい作品を見たらレビューしていきます!