ebiten0のブログ

時々書きます。百合が好き。

安達としまむら10巻感想など

やぁやぁ諸君、息災かね。えびてんだよ。

2021年9月10日、ついに2桁へ到達した安達としまむら10巻。もうお読みになられましたでしょうか?毎度のことですが凄かったですね。

今回は読み終えたばかりの私が感想を書き綴るというだけのものになっておりますが、よろしければ最後までお付き合い下さい。10巻の目次の順番に書いていきます。

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では早速参りましょう。

まず、この10巻の全体的な印象、と言いましょうか、10巻を一言で表すならば『歴史』かなと思っています。今までがなければこの10巻はありませんし、ここまで積み重ねてきたことの結果が強くこの10巻で描かれていた印象です。

 

『Fantasy Sister』

ここのお姉さん。誰?って方は入間人間先生の作品である『クロクロクロック』を読みましょう。彼女の名前は岩谷カナさん。第6巻でもしまむらは子供の頃遊んでもらっていたと言っていましたね。記憶にない方は是非読み返してみてね。

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読み終えたからこそわかる後に続く伏線としてしまむらの遠回りな感情と安達のまっすぐ過ぎる感情が見て取れますね。皆様は幸せかい?読み終えたばかりの私はめちゃめちゃに幸せですよ。

あと、今回のこの話はしまむらが十七歳のお正月。まだゴンは存命しておりますが、あと3年もないくらいというとこにまで来ました。予想はしていましたがやはりまだゴンの話は今回ありませんでしたね。入間人間曰く12巻まで書きたいとの事ですが、あと2巻のうちに確実にあると思います。10巻予想の際に精々書きましたが、本当に覚悟しておきましょう。

 

 

Astray from the Sentiment』

安達の巣立ちみたいな話でしたね(意図せずダジャレっぽくなった)。毎度の事ではありますが特典小説などを遥かに凌駕する情報量にこのAstray from the Sentimentを読み終える時点でアドレナリンやドーパミンの大量分泌も相まって頭クラクラしてました。

安達としまむらお酒問題については確実に終止符を打たれましたね。しまむら全然飲めない!って事で。安達はどうなんでしょう。しまむら程じゃないことは確かですが得意かどうかというのは気になるところでした。

それはおいといて、ここでのメインは安達について。安達がしまむらであることは重々承知でしたね。安達は、しまむらという存在で完結してしまっている事が強く示されていました。しかし同時に、私はこの話を読んでそれだけじゃないと思いしました。安達は最後の方で『なにもないのだ、私には。この家にも、この町にも、結局どこにも見つからなかった感傷をもって悟る。自分には後悔とか名残惜しさとかそういうものがなにもないんだなぁって。それを自覚して、少し泣きそうになった。』とあります。ここで単に安達にはしまむらしかなかったと思わないで欲しいのです。確かに、母親との関係や周りとの関わりのなさは本編で書かれていた通り、面と向かって語る事が出来ない大きな失敗かも知れません。しかし、安達は他者に対する努力を怠っていた訳じゃないと分かって欲しい。しまむらに関する事だけにまっすぐな訳じゃないと分かって欲しい。だってそうじゃないと、真剣じゃないと、涙を流すくらい悩んでないじゃないですか。結果、結論で言えば失敗したんでしょう。でも、そこには安達は最初から諦めていた訳なんかじゃなかったんだって事は覚えておいて欲しいです。

〆みたいな感じで感情的に書いてしまいましたが、この最後の町散策にて色々ありましたね。バイト先の店長こんな芸達者な人だっけ?って笑いましたし、どんな形であれ関わってきた人物たちと出会えてよかったと思います。日野と永藤なんてほんと首傾げたくなるほどの意味わかんなさがよかったですし、安達とヤシロの2人というレアな絡みもほんとよかった。7199年ぶり問題は置いておくとして、しまむら母とのお電話もなかなかに最高でしたね。特にしまむらとの電話なんて歴史を感じましたね。しまむらという存在の大きさを感じたし、やっぱりしまむらがいなくちゃだめだったって事もよく分かりましたね。それと、安達母との最後の朝食。ここは声が私も出ませんでしたね。でも、これらの話を読んで人の数だけその関わりの形があるんだとしみじみと感じさせられました。しまむらしまむらで、安達は安達で、それぞれの形があると。

個人的に10巻を読んで、人と関わるというのは難しいし大変だけど大切にしたいものでもあるって強く思えるようになりましたね。

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『Be Your Self』

ここで思ったのは本当に入間人間先生って天才だなって事。入間人間先生個人について全然知らないのですが、子持ち?親を経験したことあるんじゃないの?ってなるくらい親の心情を丁寧に描かれてて言葉を失います。2つの違った形を持つ親同士の会話。神すぎましたね。それはそれとして最後の思い出すと〜の件はどういうこと?お酒飲めないって丸ごと信じればよかったってなに?2人に何があったの?クリスマスパーチーの時にもしかしてお酒飲んだの!?それとも別の時にですか!?マーライオンてことはあれですかね!リバースしたんですか!?私、気になります!!!!(大声)

 

『The Sakura's Ark』

この話に入るくらいで三分の一くらいだったと思うんですけど、この時点で息荒くなりすぎて整えるのに時間かかりましたね。他の本みたく普通に読めない。ふっー…ふっー……って目の前にエサがあるのに待てをされて食べられない犬みたいに息を荒立ててました。電子版で読んでないしこういうのって電子ドラッグじゃなくて何ていうんだろ。もはや一種の麻薬よね安達としまむら。これなしじゃ生きられない身体になってる。

私の状態は置いといて、続いてばれんちゃーんでーの話。ここのページでバレンタインかぁって見えた時はキタぁ!って目が輝きましたね。これで実質3つ目のバレンティンのお話ですね。あと、ヤシロからコピペチョコを貰いましたね。ヤシロに関しては食べ物か宇宙規模の深くて浅い話かしょーさんの3択くらいしかないのが笑う。鞄からアイスクリームを取り出す宇宙人とかジョジョネタも入ってましたし笑いどころ多め。カツオヤチーも可愛い。

あとはそう、あの子ね。来たね。樽見。読み終わった方ならまぁ、ね?何からどう言えばいいのかな。まずはしまむらの恋人いますカミングアウトからかな。このあたり、予想してた樽見と次出かけるならどうなるのかパータンにしっかり入ってて当たっていましたので別段驚くことはありませんでした。しかしそれを文章にされて読むと…凄い。予想しててもやはりどうなるんだ…ってドキドキさせられましたね。

いつから好きだったのか論争も好きでしたねー。観測者である我々からであればココなんじゃないかとか色々考えていられましたが、当人たちはどうなのか気になっていたところです。安達は気付けば好きに、しまむらは内緒と、2人の会話がもうね。9巻で物足りなかった分のあだしま成分を溢れるくらいに見せつけてくれましたね10巻。あとパンチョ。好きだー。指相撲デーで納得してくれたのか、めっちゃいい子。デロスとサンチョも忘れないであげてねみんな。

そして、決戦。安達の手の甲に口づけをするしまむらかっこよすぎ…!あれは惚れる。個人的にお嬢様っていうより騎士様的な感じがしましたねー、でもごきげんようはお嬢様か。

今思えば死地へ赴く感じでてますね。

にしてもですよ。樽見との、会話。なんと言いますか、本当に言葉にしずらい。勿論予想パータンには入っていましたよ。“最悪,,の場合として。安達としまむらを読んでいれば、樽見しまむらに対する感情が友情だけでないことは明白だったと思います。だからこそ、この瞬間を迎えて、樽見の言葉を聞いて、本気で苦しくなりました。『今度はずっと友達でいてくれよ、しまちゃん』って言葉に続く文章を見て、あの挿絵を見ていたあの瞬間。音も何もかもが私から奪われて世界が止まっているように感じていました。どうするの、どうすれば、この先は、とかそんな事を考えて。こんなに人は集中できるのかってほど静止してました。詰みってこういう事なのかなって。この言葉だけでどれだけの感情と意味が込められていたか。

これで、これで何もかも本当に終わりなのか。終わったのか。もう私は樽見の件については考えることはやめる事にします。入間人間先生に全てを委ね、受け入れる事だけを考えるようにしました。言い方として不適切かも知れませんが、楽しみにしています。

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『Dream of Two』

なんか空気こもってますね換気しましょうか。さ、というわけで日野と永藤ですね!本当に生ぬるい空気に変えられたというか、バランス?って言うんですかね。強いなぁこの子達ってね。不安要素がほんと少なくてここまで安定している関係ある?みたいなね。格の差を見せられたって感じですね。なんの格は知らないけど。10年目指せばまた10年、そのまた10年と続いていくでしょう。幸せにな…!

 

『The Moon Cradle』
幸せの具現化タイムでしたね。おはようもおやすみもこれからはずっと一緒。これまでの歴史の集大成のようなお話。脳みそ破壊されるんじゃないかと思うくらいドーパミンドバドバ。安達が立派に育ったのはおかあさんのおかげとか、長くここで暮らしたいって遠回りに伝えるしまむらとか、何か見る時に眼鏡をかけるようになった安達眼鏡設定を忘れないでいてくれたとか、愛してるって台詞とか。もうね、殺しにかかってるよね。ここで何度転げ回ったか。何度変な声出たことか。素晴らしいものでした。

あと布団に正座の件はやっぱりそういうことですよね…『ムラ』でのって事ですか…理解しました、はい(小声)

 

 

『Stay of Hope』
はいリスヤチー可愛い〜!私の勝ち!何で負けたか…は置いといて、白髪!!白髪ですよ!!いやぁ〜、DVD&Blu-ray特典小説を読んでいない方はほんとに読んで欲しい!お日記でまとめたもの売った方がいいのかとかそういう話題が出てたのはこれらがあるからか!って1人勝手に納得してました。深くはもう言わぬ!今すぐ『死間』を読め!言いたい事がわかるはず!!鈍感な人用にめっちゃ雑に言えば大人か子供かって事さ!!

 

 

『Cherry Blossoms for the Two of Us
ばれんちゃーんでーのお話に戻ってきましたね。下の名前呼び縛りを考えつくの天才かっってなってました。ここで樽見の話をまた少ししているのですが、ソウルジェム凄い勢いで濁りそうなくらい苦しかった。特に別れる時に渡す防寒具。あっ、空気こもってきましたね。換気しますー。こういう時にやっぱりヤシロがいてくれてよかったと心底思いますね。それに真剣だから悩むのだという言葉。好きです。確かに、どうでもよければ悩んだりなんてしませんからね。普段の生活でも悩んでいる事があるなら、それはあなたが真剣に向き合っている証拠なのですよ。

それはそれとして、しまむら母には安達ちゃんとの事はバレバレっぽいですね。気合入ってるしまむらさんヤバい。最高。安達のなれない抱月呼びも凄い。さん付けで読んだりもしてて可愛すぎましたねー。そして、ラストシーン。片方が引っ張っていくだけじゃなく、お互いに向かう場所へ引っ張っていく、これこそ目指していた関係ですよね。安達としまむらの完成形になった瞬間じゃないかと思います。

 

 

『Hear-t』
光でさえ届くのに時間はかかる。距離があるものは全て、過去からやってきていて、0が山ほどつくくらいだとしても、どれだけ0に近づこうとも2人の距離は0じゃない。しかし、心臓の鼓動が重なるくらい近い距離。この2人の今は、限りなく0に近い。

積み重ねたものが、0へと距離を縮める。

安達にとっての0がしまむらであり、しまむらにとっての0が安達という存在なのだろう。

詩的に言ってみたけれどつまり、近いって事。色々と。

 

 

あとがき

いぇーい皆様お疲れ様でした。10巻凄かったね。raemzさんの絵も文句なしの100億点でしたね!だれもかも可愛く描かれていて、表情とかも最高でした。のん先生を受け継いでくれている感じもあって感動しました。これからも是非ともよろしくお願い致します…!

あとは本編で気になったところでも言っていきましょうかね。まずは、20歳超えても安達母とどこで知り合ったとかしまむらから話聞いてなかったのが笑いましたね。クリスマスパーチーの時にあとでねとか言われてたけど思いっきり忘れてますね…。あえてかも知れませんが。

あと矛盾点も新しく生まれましたね。9巻78ページのヤシロのママさんパパさん呼び。あれ8巻の『遠路』の時にしまむらは初めてそう呼んでいることを知るはずなのですが、78ページのしまむら全く気にしていませんね。遠路となると27歳ですから10年近くママさんパパさん呼びに関して触れる機会がなかったことになります。流石にそれはないんじゃないかと思いますね…。大人しく目を逸らしましょう。

あとは、安達って納豆みたいとかしまむらが言ってるの好きでした。読んでて「納豆…?」って声でてしまって1人笑ってました。新しく安達語が出来たり、しまむらがまた安達のことかわいいって言ってたり、懐かしさとか色々感じる事ができました。あと、10巻を通して読んでみて9巻のあとがきであった『禍福は糾える縄の如し』という言葉通り、暗い明るいを繰り返すような話の順番だったかのように思えました。

そういえば全店舗特典回収したけどまだ読んでません。ちょっとお腹いっぱいすぎます。今回で樽見についてはかなり回収されたのであとはゴンかな。バレンタインもおわったので次はまたクラス替えかな。3年生、受験の年ですね。安達としまむらの卒業式とかどんな感じなんだろ。体育館の2階しかイメージ湧かない。原点に振り返るような終わり方したら最高では…?終わらないし!!(突然キレる)。誰ですか終わるとか言ったの。まだまだ終わりませんから。まだまだ応援しますから!皆様もそのつもりで!!

新しく巻が発売されてTwitterなどでこれほど盛り上がったのは今までありませんでしたね。どれだけの人がこの作品を好きになってくれたんだ…!って感涙してます。安達としまむら1巻しか発売してない時なんて誰が知ってるのさってくらいでしたからね、ほんと凄いところまでこれたんだな…って感慨深いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました!

是非ともこれからも安達としまむらをよろしくお願いします!!